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2014年 03月 07日 ( 1 )

 

映画『小さいおうち』

昨日、やっと『小さいおうち』を観ることができた。
原作は直木賞受賞作品で、すでに読んでいた。



【あらすじ】

健史(妻夫木聡)の親類であった、タキ(倍賞千恵子)が残した大学ノート。
それは晩年の彼女がつづっていた自叙伝であった。
昭和11年、田舎から出てきた若き日のタキ(黒木華)は、東京の外れに赤い三角屋根の小さくてモダンな屋敷を構える平井家のお手伝いさんとして働く。
そこには、主人である雅樹(片岡孝太郎)と美しい年下の妻・時子(松たか子)、二人の間に生まれた男の子が暮らしていた。
穏やかな彼らの生活を見つめていたタキだが、板倉(吉岡秀隆)という青年に時子の心が揺れていることに気付く。


原作は、本当によくできた作品だったので、期待せずに観た。
感想は、まず、活字では伝えきれない部分をうまく表現してあるなぁと関心した。
さすが巨匠、山田洋次監督。
絵が有る分、松たか子演じる時子の内から匂いたつような色気や、ただ、純朴だっただけの女中タキが大人になっていく様だとか、三角関係となる板倉と時子の間の秘密の関係だとかが、言葉なくして、視覚的にまさにストレートに伝わってくる。

「あの時代」を生きた人たち、それも、ほんの一家族の一時代の映画なのに、日本の歴史や時代背景という大きなスケールに負けてない。

ところで、私のうちにも父の時代まで女中さんがたくさんいた。
その中の一人である、父のねえやだった、人・・・私にはおばあちゃんみたいな存在なのだが、この人を私は湯河原に引き取り、10数年一緒に暮らした。
今は車椅子生活になり、湯河原の老人介護施設に入っている。
このおばちゃんから聴いていた話や、幼い頃の記憶が、まさにこの『小さいおうち』とぴったり重なる。
おばちゃんは、タキそのものだ。

私には年子で双子の弟がいるから、母はそっちにかかりっきりで、私はおばちゃんべったりで育った。
映画の中で、一人息子の恭一が何かにつけて、おかあちゃまよりタキがいい・・・タキにやってもらいたい・・・
みたいなことを言うのだが、その気持ちがすごくわかった。
私のうちは「小さいおうち」ではなく、戦前は大きな時計工場で、従業員も大勢いたみたいだ。
戦争で、工員が兵隊に行き、工場はなくなって、父は大学の同級生と会社を興した。
そして、常務となった。
これも映画と同じ。

岐阜の田舎から名古屋に出てきたおばちゃんは、私の父が大学生の頃、内海にあった別荘に連れて行ってもらいそこで初めて海を見たそうだ。
都会に出て、初めてのことは、皆父が教えてくれた。
祖父が長野に湯治に行く際は、柳ごおりの荷物を背負って、身の回りの世話について行ったっていう話も聞いた。

『小さいおうち』の時代よりは、もう少しあと・・・昭和2年生まれの父は次男で、7歳上の長男が、戦死したから、祖父は、次男を兵隊に取られないように医学部を受けさせた。
結局、兵隊には行かなかずに済んだ・・・私の知っているのはそんな時代の話だけど、そんなわけで、私は、一般の人とは違う感じ方をしながら、この映画を観た。

見終わって思った。
他人なのに、家族より心が寄り添っているっていう関係は、確かにあるよな・・・って。

by mizunomari | 2014-03-07 08:35 | デイリーコラム | Comments(0)