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『恍惚の人』 

『恍惚の人』 _d0228130_11545371.jpg有吉佐和子・著の『恍惚の人』を、ふと思いついて買った。

『恍惚の人』 あらすじ

 主人公の立花昭子は、弁護士事務所に事務員として勤める「職業婦人」です。夫は商社勤務のサラリーマンで、高校生の息子が一人います。さらに義父母とは新婚当初は同居していましたが、舅の茂造が事あるごとに嫁の昭子に嫌がらせをするのに耐えかねて、敷地内に離れを建てて別居しています。
 小雪が舞うある日、昭子は仕事から帰宅途中に顔色を変えてどこかに行こうとしている舅に出会います。話を聞くと、姑が起きないのでお腹が空いたと言うので驚いて急いで家に帰ると、姑は玄関に倒れていてすでに死んでいました。しかしそれ以上に昭子が驚いたのは、舅が呆けてしまっていて自分の息子の顔すら覚えていないことでした。
 不思議なことに、散々虐めていた嫁の昭子のことはしっかり認識しています。かくして昭子は仕事の傍ら舅の面倒をみることになります。それから、暴れたり、徘徊したりする舅の介護と仕事との板挟みに苦労し、苦悩する日々が続きます。夫は舅の世話を昭子に押しつけるばかりで、福祉施設の職員に相談しても老人ホームに入れるよりまずは家庭の主婦がしっかり世話をすべきと言うだけで、周囲の理解や協力が得られず途方にくれます。
 そんなあるとき、舅は風呂で溺れて肺炎になり一時危険な状態になりますが、奇跡的に一命を取り留めます。そのことに責任を感じた昭子は、舅をベストを尽くして面倒を見ることを決意します。ただ病気を機に舅の痴呆はますます進行し、やがて子どものような無邪気な表情を見せようになり、まもなく安らかに息を引き取ります。
 こうして昭子は仕事と介護の両立をまっとうし、再び日常生活が戻ります。


実は、この本がベストセラーとなった当時、母が買ってきたのを読んだ。
うちには同居する祖父がいたが、いわゆる年相応のボケはあったけど、恍惚の人とまでは、亡くなるその日までならなかったので、この本を読んでもピンと来なかった。

でも、今、ここ数年の介護生活を経て、この小説がどのように読めるのだろう?
とふと思ったのだ。
まだ介護サービスなどない時代のこと。
「認知症」という言葉もなく「ボケ老人」と呼ばれてた。
また、そういう老人を抱える家庭では、年寄りが「ボケ」たことを隠したりもした。

時代は変わった。
でも、かといってものすごくよく変わったかというと、そうでもない。
お金がなければ、十分な介護は受けられないし、施設側も介護士も様々な問題をかかえてる。

・・・というわけで、今から読みます。

by mizunomari | 2015-04-15 11:55 | デイリーコラム | Comments(0)  

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