人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『キャパになれなかったカメラマン』

『キャパになれなかったカメラマン』_d0228130_6191522.jpg『キャパになれなかったカメラマン」~ベトナム戦争の語り部たち~上・下 (平敷安常:著 講談社文庫)』という本を昨日、Amazonに注文した。
今日届く予定。
この本は、最近友達になった風屋さんが、ブログで紹介してた。
そのブログ読んで、思い出した人が居る。

2007年ミャンマーで射殺された、長井健司。私たちは長井ちゃんって呼んでた。
それも、ちょっと小馬鹿にした感じで。
放送作家時代、彼は、私が関わってた「やすきよのスター爆笑Q&A]という番組で、ゲストの仕込みをしていた。
いわゆるデスクワークだ。
タレントや女優の事務所に電話して、出演依頼をする仕事。
よくいえば、実直、素朴、純真な彼は、芸能界やギョー界のアバウトなノリについていけず、右往左往・・・
そんな長井ちゃんを冷ややかな目で見ながら、そして、からかいながらも、皆、誰一人、彼を嫌うものもいなかった。
物静かでおとなしい、いつも冷静で穏やかな長井ちゃんが、戦場に赴くようになるとは・・・ジャーナリストになるなんて、誰も思ってもみなかった。

でも、ある日、ジャーナリストになった長井ちゃんが、ニュースステーションで、湾岸戦争についてコメントしているのを観る。

その事がきっかけで、当時の親しい同僚と「今度、長井ちゃん誘って、飲みに行こうよ」って話になった。
まだ、私たちは「あの長井ちゃん」が、ジャーナリストの「長井健司」と重ならないでいた。
いったい何が、彼にそうさせたのか?
それが知りたかった。

でも、結局、何十年かぶりの再会は成されることなく、今度観たテレビの長井ちゃんは、銃撃され、倒れる映像・・・007.gif



命がけで何かをする・・・死を恐れることなく・・・?
まさか自分が死ぬなんて考えもしないで・・・?

私は、病気で臨死体験をしたことがある。
目が覚めた時思った。
「あれが“死”なら、死ぬってそんな怖いことじゃないじゃん」って。

『キャパになれなかったカメラマン』・・・風屋さんは、二回読んだって。
同じ本を一回読んですぐまた読み直すのは初めてだって。
これ読んだら、私が知らない長井ちゃんが、少しはわかるかな?

by mizunomari | 2012-06-16 06:33 | デイリーコラム | Comments(4)  

Commented by ちゅーりん at 2012-06-16 18:50 x
「人生については誰もがアマチュアなんだよ」(略)「誰だって初参加なんだ。人生にプロフェッショナルがいるわけがない。まあ、時に自分が人生のプロであるかのような知った顔をした奴もいるがね、とにかく実際には全員がアマチュアで、新人だ」≪伊坂幸太郎『ラッシュライフ』より≫
Commented by mizunomari at 2012-06-17 04:28
結局、「今」のこの一瞬一瞬を生き続けるしかないっつーことだね。
Commented by 風屋 at 2012-06-18 10:25 x
ベトナム戦争時は子どもだったため
戦争における政治的、民族的背景についてはよくわかりませんが
それらをニュートラルに報道し、
人の幸福や生死について考えさせてくれた報道に
命をかけて携わった方々はリスペクトしています。
特にリアルタイムで見た長井さんや橋田信介さんの生き方には
激しく心を揺さぶられます。
Commented by mizunomari at 2012-06-18 15:33
今、上巻を半分位まで読んだとこだけど、少し分かってきた。
命をかけて報道に臨んでるのではなくて、実は真の報道マンであろうという姿勢がそこに有るだけなのかも・・・
戦場っていう特殊な状況下は、「死」が身近過ぎるが故に、自らの「生」とも真摯に向き合うことになるよね。
「生きる」ってことが「仕事」になってるってある意味すごいことだなぁって思う。

<< AKB48 指原莉乃 映画『流されて』 >>