『キャパになれなかったカメラマン』
今日届く予定。
この本は、最近友達になった風屋さんが、ブログで紹介してた。
そのブログ読んで、思い出した人が居る。
2007年ミャンマーで射殺された、長井健司。私たちは長井ちゃんって呼んでた。
それも、ちょっと小馬鹿にした感じで。
放送作家時代、彼は、私が関わってた「やすきよのスター爆笑Q&A]という番組で、ゲストの仕込みをしていた。
いわゆるデスクワークだ。
タレントや女優の事務所に電話して、出演依頼をする仕事。
よくいえば、実直、素朴、純真な彼は、芸能界やギョー界のアバウトなノリについていけず、右往左往・・・
そんな長井ちゃんを冷ややかな目で見ながら、そして、からかいながらも、皆、誰一人、彼を嫌うものもいなかった。
物静かでおとなしい、いつも冷静で穏やかな長井ちゃんが、戦場に赴くようになるとは・・・ジャーナリストになるなんて、誰も思ってもみなかった。
でも、ある日、ジャーナリストになった長井ちゃんが、ニュースステーションで、湾岸戦争についてコメントしているのを観る。
その事がきっかけで、当時の親しい同僚と「今度、長井ちゃん誘って、飲みに行こうよ」って話になった。
まだ、私たちは「あの長井ちゃん」が、ジャーナリストの「長井健司」と重ならないでいた。
いったい何が、彼にそうさせたのか?
それが知りたかった。
でも、結局、何十年かぶりの再会は成されることなく、今度観たテレビの長井ちゃんは、銃撃され、倒れる映像・・・
命がけで何かをする・・・死を恐れることなく・・・?
まさか自分が死ぬなんて考えもしないで・・・?
私は、病気で臨死体験をしたことがある。
目が覚めた時思った。
「あれが“死”なら、死ぬってそんな怖いことじゃないじゃん」って。
『キャパになれなかったカメラマン』・・・風屋さんは、二回読んだって。
同じ本を一回読んですぐまた読み直すのは初めてだって。
これ読んだら、私が知らない長井ちゃんが、少しはわかるかな?
by mizunomari | 2012-06-16 06:33 | デイリーコラム | Comments(4)
戦争における政治的、民族的背景についてはよくわかりませんが
それらをニュートラルに報道し、
人の幸福や生死について考えさせてくれた報道に
命をかけて携わった方々はリスペクトしています。
特にリアルタイムで見た長井さんや橋田信介さんの生き方には
激しく心を揺さぶられます。
命をかけて報道に臨んでるのではなくて、実は真の報道マンであろうという姿勢がそこに有るだけなのかも・・・
戦場っていう特殊な状況下は、「死」が身近過ぎるが故に、自らの「生」とも真摯に向き合うことになるよね。
「生きる」ってことが「仕事」になってるってある意味すごいことだなぁって思う。